伊賀市内にあるギャラリーやまほんにて、辻村史朗さんの展覧会が開催されます。

Gallery Yamahon 25周年記念展
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辻村史朗 展 内在の躍動 —
会期|10月25日(土) ▷11月16日(日)
開廊時間|11:00~17:30
定休日|火曜・水曜(祝日除く)
場所|gallery yamahon
在廊日|10月25日(土)
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日本陶芸界、そして海外のアートシーンにおいても、その造形と活動に注目を集め続ける辻村史朗氏。本展では「内在の躍動」と題し、氏が生涯を通じて追い求めてきた“何か”──形を生み出さずにはいられない、内奥から溢れ出す創造の衝動をテーマに展観いたします。
辻村氏は、青年期に絵を志し、十七歳で禅寺の雲水となります。「がむしゃらに絵を描きつつも、何か自己の中から、自己追求する気持がつのってきて」と語るように、修行を通して自己の内奥に潜む“衝動”と向き合い続けました。やがて修行を終え、絵の世界へ戻るものの、画塾で出会った小さな窯が人生を大きく変える契機となります。やきものを焼く行為に、絵と同じ精神の昂ぶりを見出したのです。
その後、駒場の日本民藝館で出会った大井戸茶碗が、氏の生涯の指針を決定づけました。
「心にしみこむ大らかさ、何もかも善も悪もつつみこむ、それでいて気負いのない姿」
「茶碗ということより、人間と相対しているような状態、大母性大慈悲心と向かい合っているようなこころもち」氏はこの一碗に生命の根源的な躍動を感じ取ったといいます。
奈良の山中に自らの手で小屋を建て、居を構えた後も、その制作の根は変わることなく「内なる禅」とともにありました。
「それら小屋を造ることも、絵を描くことも、焼き物をすることも、売りにいくことも、自分にとっては同じ一つのことなのです。これからも内なる禅と、もの造りから発する何かを探し続けてゆきたい」と語る通り、氏の創作は常に動きの中に静けさを、静けさの中に命の息づきを見出そうとする探求にあります。
私がこの十数年にわたり垣間見てきた氏の姿は、まさにその“内在の衝動”を体現するものでした。止まることのない探究、絶えず変化しながらも揺るがぬ精神の核──それが辻村史朗の創作の原点であり続けています。本展では、最新作の粉吹茶盌を中心に酒器・向付・大壷さらには書や絵画までを一堂に紹介いたします。どうぞご高覧のうえ、皆様の中にも響く“何か”──形に宿る生命の躍動を感じ取っていただければ幸いです。
◉ 不二 開廊日のお知らせ
京都・寺町の静謐な和の空間にて、辻村史朗の茶盌・大壺・墨絵など、厳選した作品
を一堂に集めた場「不二 funi」。
今月は11月14日(金)・15日(土)・16日(日)の
3日間、公開いたします。詳しくは店頭にてお問合せください。
辻村 史朗 Shirō Tsujimura
略歴
1947年 奈良県御所市に生まれる
1965年 画家を志し、東京へ上京。井戸茶碗に魅せられ作陶を決意
1966年 奈良の禅寺三松寺(曹洞宗)にて修行
1969年 作陶をはじめる
1970年 奈良・水間に家を建てる
1977年 奈良市水間にて初個展
1993年 英国・ウエスト デボンに築窯
作品所蔵美術館
クリーブランド美術館・ミネアポリス美術館
ブルックリン美術館・フリーア美術館
メトロポリタン美術館・サンフランシスコ美術館
カンザス大学付属美術館・ノースカロライナ美術館
ボストン美術館・クラーク財団・パーク財団
フランクフルト工芸美術館・ストックホルム美術館
裏千家茶道資料館・MIHO MUSEUM

















