ドアを開けると香ばしい薫りと巨大な焙煎機に心奪われるスペシャリティ珈琲豆専門店、SEROW coffee(セロウコーヒー)の店長 櫻井香里さんにお話を伺いました。
SEROW coffeeさんは2016年の12月にオープン。珈琲豆の量り売りは100gから、ギフトセットや珈琲グッズ、マグカップなども置かれています。営業中にお邪魔してしまったのですが、店長さんの気さくで優しい人柄にお客様も楽しそうにお話されながら珈琲を購入されていました。
最初は片意地張っているところもありました
── 鈴鹿でお店を開こうと思った経緯はあるのですか?
主人も私も生まれが三重県なので、子供が小学校にあがるタイミングで三重県に戻ろうとは決めていました。
結婚して子供ができて、唯一ほっとできる時間が、”家でミルを挽いて珈琲を淹れる”というさりげない日常の時間だったんです。それまでただ好きで飲んでいた珈琲を学びたいと思い、カフェでバイトをし、珈琲豆専門店で珈琲の勉強をしてこのお店を開きました。
── 1年半前にオープンされたということで、私もおしゃれなお家があるなあと思ってこの場所は知っていたんですが、珈琲豆屋さんっていうことは知らなかったんです。
そうですよね、これまでは外に看板もなかったんです。オープンして1年経ったので大きい看板を作ってもらいました。
── 看板を立てないのは何かこだわりがあったんですか?
オープン当時は、隠れ家みたいなお店にしたいなと思ってたんですけど、同じく豆屋をやっている方に、豆は鮮度がとても大事なんだから、たくさんお客様にきていただけるようにわかりやすくした方が良いよって言っていただいて。確かにそうだなと思って看板を立てたら、珈琲豆屋ってわかるようになってお客様も増えました。看板ってすごいですね(笑)
だから、お客様にも「いつからお店あるんですか」って聞かれることが多くて、1年半前って言うと驚かれます(笑)
最初はやっぱりちょっと片意地張っているようなところがあったんですけど、今は気さくに足を運んでもらえるのが大事だなって思っています。ご近所のおじいさん、おばあさんがよく立ち寄ってくださるんです。ふらっと歩いて来られて、100g買って帰る、みたいな。それでいいんだなっていうことに気づいたんです。
── こういう土地柄もありますよね。
そうなんです、東京だったら隠れ家的なお店でもいいのかもしれないんですけど、ここは鈴鹿なので(笑)
地元の人に愛されないとだめですよね。毎日パンを買うように、美味しい珈琲をお届けしたいです。100gから買えるっていうのもそれを意識しているんです。200g〜っていうお店が多いんですけど、気軽に楽しんでいただきたいので。特別じゃなくて、カジュアルに、美味しい珈琲のある生活をお届けしたいと思っています。
流行のものよりスタンダードなものを置くようにしています
── 空間づくりのこだわりポイントはありますか?大きな機械が置かれてますね。
機関車みたいですよね、これはGIESENっていうオランダの焙煎機なんです。三重県ではうちにしか置いていないのでぜひ見ていただけると嬉しいです。空間づくりはあくまでシンプルに、珈琲豆が主役になる店作りを心がけています。
── 色んな種類の豆がありますね、商品のセレクトで意識されていることはありますか?
流行的なものよりも、飽きのこないスタンダードなものを置くようにしています。豆は常連のお客様にも楽しんでいただけるように、季節のブレンドを作ったり、シングルの珈琲豆の種類も変化させています。珈琲豆は焼く前は茶色くもなくて香りもなくて、本当野菜の豆っていう感じなんですよ。そのなかから欠点のあるものがあればひとつひとつ取り除いて、この焙煎機で焼きます。焙煎は主人が担当しているんですけど、250度で10〜15分ぐらいですね。ドリップパックもあって、ギフトに買っていかれる方が多いです。朝挽いて手詰めしています。
── 細かい作業もあって手間暇かかっているんですね、、!季節のブレンドっていうのは豆の種類が変わるんですか?
そうですね、豆の種類もあるし、例えば冬だったらチョコレートが美味しい季節なのでそれに合うようにとか、夏はやっぱりアイスコーヒーが主になると思うので、さっぱりするようにとか。比率を変えて何パターンか作って香り、コク、後味を比較しています。月1でブレンドを変えるのが定番になっていて、毎月1日から販売しています。毎月買いに来てくださるお客様もいますよ。
── 毎月楽しみにされてるお客様がいらっしゃるんですね!豆以外にもギフトセットも置かれているんですね。
はい、冠婚葬祭とか、ギフトセットがあると喜ばれるので力を入れています。できるだけ上品に、きれいに、高く見えるように。焼き菓子もセットにして、贈り物は見栄えが大事だと思うので。
── とても素敵ですよね、私もこれを見て誰かにプレゼントしたいなと思っていました。コーヒーグッズも扱われているんですね。これはミルですか?
はい、ミルも色々あるんですけど、見栄えって大事じゃないですか(笑)もちろん使い勝手も大事だけど、置いててかっこよくないと嫌で、しかも値段が手頃なもの。2万円のミルって買わないですよね(笑) 5000円だったら手に取りやすいかなと思ってこれ1個に絞っています。
── 電動っていうのがいいですね、我が家は手回ししかなくて(笑)
手動は3日で飽きちゃいますよね、飲むのが苦痛になってしまったら元も子もないです(笑)
── このミルとっても欲しくなりました、、マグカップなど食器も置かれてますね。
藤原純さんっていう作家さんのマグカップです、珈琲豆屋だからマグカップを置きたいなと思っていて、BLEU PORTEさんに、素敵な作家さんいませんかねって相談したら、信楽焼の作家市をおすすめされたんです。なのでそこで気に入った作家さんにお声掛けさせてもらいました。人気の作家さんだったらしくて失礼なことをしてしまったなと思ったんですけど(笑)、快く引き受けてくださったんです。
── 渋くてすごくかっこいいですね!
そう、かっこいいんですよね。このお店も、可愛くならないように、かっこよくなるように気をつけているんです。だから可愛らしい白いマグカップよりは、黒っぽい、こういう感じが好きです。お客様も男性が多いんですよね。なので男性にも気に入ってもらえるように。
珈琲を介して他業種のかたと素敵な時間を共有したいです
── これからチャレンジされたいことなどはありますか?
もちろん、珈琲豆専門店として三重県の方にもっと知っていただきたいです。
最近少しずつ形になってきているのですが、他業種のお店様ともっと交わりを持ちたいなと思っています。静かで落ち着いた空間が好きなので、ギャラリーやセレクトショップで珈琲を淹れさせていただく機会が増えて、それがとても楽しいです。
── 珈琲っていいですよね、どこに行っても飲みたくなります。
そうなんですよね、得だなって思ってます(笑)スペースも少ししか取らないし、本当どこでも行かせてもらえるので、珈琲で良かったなと思ってます。まだまだ三重県にはとっても素敵なお店がたくさんあるので、そんな方たちと珈琲を介して素敵な時間を共有したいと思っています。
鈴鹿も素敵なお店がたくさんあって、最近は「鈴鹿巡り」みたいなことをしてくださってるお客様もいらっしゃるんですよね。Adii ezuさんにいって、うちにいらして、すとんとさん、エジソン休憩所さんって。
── そうなんですね!何店舗かあれば今日は出かけてみようかなっていう気持ちになりますね。私も鈴鹿巡りしてみたいと思います!
本日はありがとうございました!
おすすめ商品
個性的なシングルの豆もおすすめですが、やはり当店で配合したブレンドが一番のおすすめです。ミルで挽いていただけるとさらに香り高くお飲みいただけます。